東名夫婦死亡事故に見る進路妨害の問題。その3

(「石橋和歩容疑者」佐藤栞氏撮影:朝日新聞

 

こんばんは、編集長です。

 

私の担当は「政治」ですが、広く社会問題を扱って行きたいと思っています。つまり、本サイトのタイトルにある「ニューズオールズ」に一番近い内容です。

 

そのようなものとして、2017年6月東名高速道路で起きた荻山さん夫婦死亡事故を扱っています。

 

連載第3回目です。

 

 


・芸能人の発言が話題に成った。


東名夫婦死亡事故が話題に成ったのは、石橋和歩(いしばしかずほ)容疑者の人物像はもちろんのことですが、それに加え、この事故を巡る芸能人の発言と失言の数々があったからでした。

 

また事故後の報道としては、石橋容疑者は過失運転致死傷罪の容疑で逮捕されたのですが、危険運転致死傷罪を問えるかどうか、ということが焦点と成りました。

 

こういった事情も含め、石橋容疑者の犯した進路妨害行為の社会的問題性を浮かび上がらせて行きたいというのが本連載の趣旨です。

 

今回は芸能人の方々が、本事件について一体どのような「持論」を展開していたのかを見てみたいと思います。

 

 


1.  松本人志さんの持論


(クリックで該当記事に移動します)

 

ライブドアニュース(出典:デイリースポーツ)によれば、ダウンタウンの松本人志さんは、今回の東名夫婦死亡事故について「僕はああいうことがあると言っちゃう」とコメントされた様です。

 

ただ「ああいうこと」で指しているのが、事件前の中井パーキングエリアで起こった両者の因縁のことであり、進路妨害行為のことではありませんでした(※1)。

 

このため、事件の趣旨を取り違えていると言わざるを得ません。

 

事件当時の萩山さんの対応についても「ああいう輩みたいなの(石橋容疑者のこと)が来たら、中からロックして出ないこと。出てロクなことないですから。ほっておくしかない。車の中から警察を呼ぶとか」とコメントするだけで、萩山さん一家が当時、高速道路の追い越し車線という危険な箇所に居たことに気づいていません(※1)。

 

残念ながら松本さんのコメント持論というより、事故を理解していないと言うべきでしょう。

 

(※1  事件の概要については、連載第1回の記事を参照してください。)

 

 


2.  山本譲二さんの持論


(クリックで該当記事に移動します)

 

日刊スポーツによれば、歌手の山本譲二さんは、今回の東名夫婦死亡事故について「腹立ちますよね。コイツ、何考えてんの? しょっちゅうこういうことをやってたんじゃないか。(萩山さんの)正義感がアダになってこういう悲しい結末。むなしいし、容疑者に腹立ちますよ」とコメントしたうえで「ハッキリ言って、殺人罪だと思います」と発言した様です。

 

殺人罪だと思います」は法律の専門家から見ればお笑い種(ぐさ/くさ)かも知れませんが、本事件に対する一般人の感情をよく代弁していると思います。だから、この点で彼を批判するのは的外れでしょう。

 

ただ、事件前の中井パーキングエリアで起こった両者の因縁について、山本さんは、萩山さんが「正義感でやった」という見方をしていますが、この点については少し首をかしげたくなります(※2)。

 

上手くは言えないのですが、注意の仕方で萩山さんに落ち度があった、という見方もできるのではないでしょうか。

 

例えば、ご近所さんの家の柿を取っている子供に対して「張り倒すぞ!このガキ!!」と言ったならば、それは正義感でやってにしても、注意の仕方に落ち度があったと言えます。

 

もちろん、萩山さんが注意の言葉として発したのは「邪魔だ」という一言だけですが(※2)、この言い方に何か事件の火種があったような気がしてなりません。

 

正義感で取られた行動でも、好ましくない結果を伴うことがあります。その場合、その行動をした人物は「正義感でやった」から、その結果の責任は全く無いと言えるのでしょうか。

 

もちろん、今回の事故に関して私は、最終的には全面的に、萩山さんご一家に同情いたします。石橋容疑者は、できることなら殺人罪で罰して欲しいです。

 

しかし、少しの食い違いが積み重なって不幸が起こるということを、大局的に理解する必要もあるのではないでしょうか。

 

(※2  事件の概要については、連載第1回の記事を参照してください。)

 

今回は、ここまでです。

 

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

 

本編は続きます。

 

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